(フェリーチェ トワコ クリエイティブディレクター)
モデル、女優として活躍した後に芸能界を引退。二児の母を務めながら、美の体現者としての発信や、自身がプロデュースする化粧品ブランドの業務に携わっている。
大好きな美容を極め、自身の化粧品を作るに至った君島十和子さん。細部まで美を極める十和子さんの、手元や爪へのこだわりを、さらに詳しく伺いました。
(フェリーチェ トワコ クリエイティブディレクター)
モデル、女優として活躍した後に芸能界を引退。二児の母を務めながら、美の体現者としての発信や、自身がプロデュースする化粧品ブランドの業務に携わっている。
大好きな美容を極め、自身の化粧品を作るに至った君島十和子さん。細部まで美を極める十和子さんの、手元や爪へのこだわりを、さらに詳しく伺いました。
渡辺:前回、十和子さんが爪にコンプレックスをお持ちだったこと。そしてそれがネイルサロンに通うことで少しずつ払拭されていったことを伺いました。20代の頃の十和子さんにとっては、ネイルサロンが駆け込み寺のような存在だったのですね。
君島:はい。爪だけでなく手全体のコンプレックスを解消してくれたのがネイルサロンです。当時のネイルサロンはまだ、ネイリストさんの数そのものが少なくて、みなさんアメリカで勉強なさってきていました。お話してみると情報が一歩も二歩も進んでいて、20代の自分にとってはとても刺激的で、お話を伺うのがとても楽しみだったのです。そして、ネイルケアにいらしているお客様と知り合えたのも嬉しかったことです。顔見知りになった年上の方から、行きつけのエステティックサロンをご紹介いただいたこともあるのですよ。
渡辺:ネイルサロンが美容の情報交換や発信の場となっていたのですね。
君島:当時は今と違ってweb上での情報がありませんから、唯一ネイルサロンがそういう場だったのです。のちに素晴らしい技術を持ったネイリストさんとの出会いもありました。その頃になりますと、時期的に女性誌で美容のテーマが盛り上がってきた頃で、ネイルを塗っていただいている間の会話がどんどんマニアックになっていきました。今年のアイシャドウはどんな色か、肌作りはツヤなのかセミマットなのか、眉の太さ、角度、長さは?チークを入れる位置は?などなど。その会話が発端となって自分で化粧品を作ろうと思うまでになったのです。
渡辺:その頃、ハンドケアについてもオリジナルのケア法を編み出したとか。
君島:家事をしながら爪と手を守るにはどうしたらよいかという課題がありまして、お話をしているうちに思いついたのです。拭き掃除や洗い物をする時にゴム手袋をしますよね。その前に手にたっぷりとハンドクリームを塗って、まず薄手のコットンの手袋をします。そしてその上からゴム手袋をするという二重手袋です。
渡辺:ゴム手袋で水から守られますし、クリームとコットン手袋で内部が保湿パックをしたような状態になるので一石二鳥。家事もしっかり、美容も手を抜かない十和子さんらしい工夫で、感心させられます。
君島:手元のケアは毎日の積み重ねが物を言いますから。
渡辺:そうはいっても、お忙しくしていると時々手を抜きたくなりませんか?
君島:とても個人的な話なのですが、主人と結婚して10年たった頃、ふと手をつないだ時に「結婚前と手の感触が違っちゃったね」と言われたことがあって。気をつけていたつもりなのにそう言われたら悔しくて…。本気になったのはそれからなのです。笑
手元には自分で作ったハンドエッセンスをたっぷりつけて、硬くなりがちな爪のまわりにはオイルをなじませて柔らかく保つようにと、いっそう気を遣うようになりました。
渡辺:素敵なエピソードですね。では最後に…多くの女性の憧れの的である十和子さんにとって、手元の美が持つ意味とは何でしょうか?
君島:手は、ふとした瞬間に案外目に入って目立つパーツです。女性としては、清潔感を際立たせることができる部分だと考えています。でも一方では「他人に見せない隠れた部分の生活態度が表れてくる場所」だとも思っています。ですから、華美に装えばよいということではないのではないでしょうか。私は、自分の目ざすトータルビューティの方向性とマッチして見えるかどうかをいつも意識しています。
(わたなべ けいこ・美容ジャーナリスト)
80年代半ばより約30年に渡り、美容記事の企画構成や執筆に携わる。化粧品情報に限らず、 美や健康にまつわるさまざまなテーマで幅広く取材を続け、女性誌やweb媒体で情報を発信している。