フレスカから、サロンで活かせるデザインスカルプチュアまで、アクリルを上手く使いこなせるポイントをお伝えします。
出 演:岩井智栄さん(「東京ネイルエキスポ2017」世界ネイリスト選手権チャンピオン/JNA本部認定講師・マスターエデュケーター)
ナビゲーター:仲宗根幸子さん
第73弾のスーパーライブは、世界ネイリスト選手権で二度もチャンピオンに輝き、いまやフレンチスカルプチュアのエキスパートと言える岩井智栄さんが登場。会場にはネイルコンペティションのチャンピオン経験者を含め、多くのプロネイリストが集まる人気ぶりでした。
まず冒頭では、アクリルの基礎理論を説明しました。
ポイントとして、「メーカーごとに違うモノマーのポリマーの混合比率を把握すること」や「リキッドを使い続けるとダッペンディッシュの中で化学重合が始まってしまうため、新しいリキッドを少量ずつ使うこと」などを説明。岩井さんはコンペの際、後者の対策として7個もダッペンディッシュを持参すると話し、受講者を驚かせました。
前半のデモンストレーションでは、デザインスカルプチュア2種類とバーチャルフレンチを披露してくれました。埋め込みのデザインスカルプチュアの場合、オーバーレイのクリアが厚いと、デザインがぼやけてしまうため、デザインの厚みはハイポイントぎりぎり、ファイルしたときに出てこないくらいが理想。岩井さんは、デザインスカルプチュアに限らず、キューティクルエリアのアプリケーションには、ややゆるめのミクスチュアを使い、ブラシでセルフレベリングを誘導するようにしていました。このキューティクルエリアのアプリケーションは、フレンチのワンボール目の練習と同じくらい重要で、ハンドモデルさんの爪以外に、自身の爪でも練習を重ねたそうです。また、ミクスチュアを置いたときには、ある程度硬化が始まるまでブラシを離さないのがコツで、そうすることでミクスチュアがブラシにべとべと付かず、操作がしやすくなると、繰り返し伝えていました。
続いて、バーチャルフレンチをデモンストレーション。
岩井さんは、自分の爪にコンプレックスがあったことがきっかけでネイリストになったそうで、小さく、反り爪である自分の爪を美しく見せるため、バーチャルフレンチは普段からよくつけている、いわば岩井さんのトレードマーク。そんなバーチャルフレンチの練習では、トレーニングハンドにピンクのチップを装着。クリアやナチュラルのチップより、スマイルラインがはっきりわかるため、練習の際にはピンクのチップが活躍するとのことでした。
後半では、コンペスタイルのフレンチスカルプチュアをデモンストレーションしてもらいました。ハイポイントの高さを揃えるために、ハンドモデルの地爪をチェックし、ミクスチュアの量が多くなりそうな指から施術していきます。そのため、場合によっては端から順番に施術しないこともあり、実際にこのデモンストレーションでも、人差し指、薬指、中指の順にアプリケーションしていました。
世界選手権のように競技時間が短い種目の場合、各工程での所要時間を細かく設定していて、いつも頭の中でカウントしているそうです。さらに、時間短縮のため、道具類は使う順番に並べていて、実際のテーブルセッティングも披露してくれました。
最後に岩井さんは「アクリルもネイルケアも難しいですが、爪をきれいにできる技術なので、そこから離れずに好きになって欲しいです。基本的なアクリルの特性を理解すれば、操作しやすくなるので、コンプレックスのある爪をきれいにして、たくさんのお客さんに喜んでもらってください。」とメッセージを送っていました。
次回、第74弾スーパーライブは、東京ネイルフォーラム3日目、メインステージで開催します。デモンストレーターは、世界選手権チャンピオン3連覇の経験もある井筒貴子さんで、「世界最難関のネイル技術試験『JNA認定講師資格試験』のすべて」を披露してもらいます。受験を予定している人はもちろん、多くのネイリストが必見の内容です。今回は、参加費無料で予約も必要ないので、この機会にレベルの高いステージをお楽しみください。多数のご参加をお待ちしております。